黒鷲の旅団 >14日目(2)黒鷲団、再編中


黒鷲の旅団
14日目(2)黒鷲団、再編中

「準備って、何するです?」
「新人どこ入れるか決めねーと。な、オヤジ?」

 魔女協会の練習場に集合した子供達。
 カリマの問いにマルカ、正解だが。
 おっちゃんはとうとうオヤジにクラスチェンジか?

 出陣に当たって、部隊を再編します。
 まず、これまでの銃士隊、弩兵隊、弓兵隊。
 メンバーはそのままに、役割を加える。

 各隊長には言ってあった衛生管理役。
 立候補ないし推薦があれば聞きたい。

 ここで名前が挙がるのが、銃士隊にノイエは順当。
 弩兵隊はアイリスだが、弓兵隊からはフレヤ?
 人狼フレヤ。魔力適正は高くないが、自ら立候補した。

「じっ、自分、その、魔法無くても戦えるんで!
 魔力とか、取っとけると思って!
 ど、どどどうですか?」

 なるほど、そういう見方もあるか。
 治癒系魔法は隊長マリナ、魔力高適性のエメリナも取っている。
 緊急時には分担すれば良いし、何よりやる気がある様だ。
 衛生管理、バイタルチェック等はフレヤにリードして貰おう。

 と、やる気を見せねばと思ったのか。
 まだ役職の無い子達から手が上がる。

「やる! 何かやらせて!」
「あああああたしにも何か!」

 分かった分かった……

 身軽なカーチャ、探し物が好きなツェンタ。
 音に敏感なエメリナ。3人を斥候担当とする。
 敵や異変、トラップを探す練習をして貰うぞ。

 ルーシャ、テルーザ、ジェマは経理担当。
 部隊の収支を見て貰おうかな。

「数字は自信無いにゃあ……」

 ジェマは計算苦手か。心配しないで。
 減って来たにゃーとか、無くなりそうだにゃーとか。
 まずは過不足に気を配る様に。
 数字はゆっくり覚えてくれれば良い。

 花人隊はアンゼリシアの第1小隊を弓兵隊。
 ベゴニエッタの第2小隊は長弓兵隊とします。
 植物魔法、その場で弓を作り変えられるのだが、一応。
 接近時、1列横隊より2列の方が良い。前後に配してみる。

「あーう、任せろー」「頑張るますー」
「中衛だなー。槍とかも作るかー?」

 新人は、まずマイナさんを俺周辺、本部付き。
 サンドラやトゥーリカと同じ。
 状況に応じて各隊に入って貰う。

 ジルケが慣れるまでは付き添って貰うのだが。
 慣れて来たら、各隊とも交流、連携して欲しい。

 次、新規。第6小隊。小隊長はジルケにする。
 ゴブリンを根絶やしに、は難しいかも知れんが。
 銃の腕では、新人達の中で群を抜いている。

 隊員にフィリッパ。両親を捜索がてら、力をつけて貰う。
 探すだけの力、洞察力や体力もそうだが。
 両親が見つかっても、生活が苦しいと一緒に暮らせない。
 逆に養ってやる、ぐらいの実力を目標にしよう。

 ヘルヴィとヘレヴィも入隊とします。
 追手の件は、グレッグから手を回してくれる事になった。
 後で暗殺教団から連絡があるだろう。

 2人の銃の腕は見習い相当。
 しかし基礎レベル、身体能力は高い。
 緊急時の近接対応にも期待したい。

「負けないからね」
「すぐに追いついてやるわ」

 すっかりライバルだな、ユッタとヘルヴィ。
 銃口は向け合うなよ? 撃墜数でも競ってくれ。

 出向組のローダとテクラも加え、6人。
 マイナさんを補助約に入れて7人か。
 以上を第6小隊。第2銃士隊とします。

「よし、じゃあ……ぼ、冒険だ?」
「待って待ってー! 武器とかまだです!」

 昨日の反省で恐る恐るなカーチャ。
 カリマがストップを掛ける。
 新人銃士隊の装備が足りない。

 服装を一度、旅の装いセットに揃えよう。
 ローダとテクラ、フィリッパ、ヘルヴィヘレヴィ。
 ヘルヘレのゴスロリセットも、お気に入りだとは思うが。
 汚れちゃうから取っておこうか。
 マイナさんも動き易い服装を用意してください。

 他の子も、新しい服を考案中だ。
 まずは改めて採寸して貰う。

 という事で、まず仕立屋へ。
 マイナさん、子供達、花人達も向かってください。
 カーラさんには話を通してある。
 応援を頼むと言っていたので、そう掛からないだろう。

 俺は鍛冶屋に寄って武器を手配しよう。
 ジルケは先に買ってある。ローダとテクラは持参した。
 しかしヘルヘレとフィリッパの小銃が要る。
 マイナさんにも武器を考えないと。



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