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黒鷲の旅団
15日目(2)新世代の魔術師
「うっ……が、骸骨……?」
「ぬ、魔女か……魔女だろうが。
その鎮魂魔法とは何ぞ」
「うぇ、持ち技を解析されてる!?」
魔女ヘリヤとシャンタルのコンビが来訪。
と同時、不死者ソルヴェーグの訪問。
タイミングが被ってしまった。
待て。味方だから。大丈夫だから。
「信じるけど……
ハインたん何でも引き込んじゃうんだから」
骸骨さんはさておいて!」
「おっと、そうだった。
金づる金づる」
ヘリヤ、もう金づる言っとるやん……
慣れたのか、段々遠慮が無くなって来たな。
今回の特許申請。
熱風魔法、共鳴振動魔法。
刻印、耐電、防毒、水脈。
それと温泉魔法の7つ。
それから後回しにしていた奴。
洗浄魔法と温風魔法。
この際だから申請しておこう。
「ぐへへ。来たよ。
待ってましたよ温泉魔法!」
「このキョーメー……って何?
これもカガクの魔法?」
魔法医療師シャンタル。
温泉魔法に歓喜だがヨダレは拭け。
アタッカー寄りの魔女剣士ヘリヤ。
攻撃系に興味があるか。
売り上げの方の報告は、Aクラス51件。
Bクラス63件、Cクラス22件。
それと……Sクラスが13件。
習得者は、各派閥の上級魔女達か。
フレス派のヘリヤとシャンタル。
フッケ派のヴァウラとカトラ。
ジズ派、アンブロシナと。
フェデリカ、オクタヴィア。
フリア派から、ティルデ。
ドルテ、キュテリア。
レイヴン派のオリガ。
マリーヤ、エフゲニア。
この戦力強化は魔王軍対策だろうか。
大魔女だけでは使い切れないとの判断。
確かにSクラス魔法、魔力消費が大きい。
それでもヘリヤ。
燃料気化爆発魔法は燃費が良い方だと言う。
俺でも一度に3発が限度だけどな……
事後承諾で悪いんだけど、とシャンタル。
魔女協会の内部なら、拡散は止めてない。
上級魔女。一般の正魔女より責任ある立場。
安全管理だけはしっかりお願いします。
「新魔法に特許とは。
魔術の世界も進歩したものよ」
ソルヴェーグさん、しみじみ。
墓場に籠っていて世情に疎い様だ。
そちらの要件は魔法の情報交換だったな。
まずは整復魔法。
リダクション系統。
リダクション。
削減よりも補正、整復手術の意。
医療用語寄りの意味だな。
錬成魔法の要素を利用。
骨折を治す事に特化した治癒魔法だ。
骨折だけならヒールより少ない消費で治せる。
ただし裂傷や打撲には一切効果が無い。
あと、同じアンデッドでも霊体には効かない。
同様に縫合魔法。スチュア系統。
基本技のスチュアライズ。
これは多分、造語かな。
ライズが蘇るのRISEから来ている感。
裂傷の治癒に特化した錬成治癒魔法。
死体の傷も塞げる。多分ゾンビにも効く。
不死者に攻撃魔法を教える。
世間体がアレなのだが。
回復魔法を教えても別段困らんだろう。
身体的に回復した所でアンデッド。
除霊されたら同じ事だ。
整復・縫合と、ついでに形成外科。
移植外科魔法も教えておく。
あと、何か質問があれば。
と、ソルヴェーグから問い。
治癒魔法上位ではダメな理由?
ヒールプラスやハイヒールは知っていて。
不死者はともかく、生身相手。
この魔法を作ったのは何故か。
治癒魔法の上は強い治癒魔法、と。
そこから脱却するに至った理由。
魔法の研究、発展の取っ掛かり。
そこら辺に興味がある様だ。
治癒魔法。ヒール系。
これは自然治癒力を増幅して傷を塞ぐ。
それじゃ間に合わない局面が幾つもあった。
失われ行く生命力。
増幅しても間に合わない。
でも、何とかしなきゃ患者が死ぬ。
医療の知識があった。
見聞きした程度とはいえ、だ。
傷を塞いで輸血すれば助かるかも知れん。
そういう必要に迫られた。
手持ちのカードと睨めっこだ。
魔法を発展させたい、か。
魔法が科学に追いやられる。
どうにも耐えがたい、とソルさん。
科学が発展すれば魔法は要らなくなる。
果たしてそうかな?
魔法だ科学だと拘らず。
魔法で科学をやれば良い。
科学に出来て魔法に出来ない事は無い。
魔法、魔力。
科学で言う所のエネルギーだろう。
好きに使えるエネルギーだ。そりゃあ使う。
「なるほど……なるほど。
視野が狭かったのだろう。
科学に負けまい、というのが1つ間違いか。
ありがとう。新世代の魔術師よ。
お陰で少なからず道が開けた気がする」
新世代の代表みたいな評価は大袈裟だが。
ソルさんに感謝され、握手を求められる。
骸骨の手、指ほっそい印象。
どこか落ち着かない。
「ハインたん、一度うちで講義してみない?
男はダメ〜言ってる魔女協会だけど。
性別の事は何か考えるからさ、イヒヒヒ」
シャンタル、何だイヒヒは。
報酬も出すという。
講義は考えてみるけれど。
何かまた悪戯を考えてやしないか。
さて、ここらでの用事は済んだかな。
魔王バティスタン軍の再襲撃も無い。
廃坑を目指して再出発としよう。
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