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黒鷲の旅団
15日目(7)3分間マジックメイキング
「あー、ごめん。
10分ぐらいで来るってさ」
ジュス姉さん、通信魔法で援軍を呼ぶ。
アレでソレな人材が来るんだろう。
撃破報酬、分け前とか。
要求されるのが痛いと言えば痛いが。
人数も戦力も足りない。仕方ない。
現在急行中らしい。
その間に支度をしよう。
子供達は廃坑内部に待機させ、外へ。
俺は幾つか新魔法の構築を試みる。
分解、融解、腐食、軟化、重力、圧殺。
崩壊魔法コラプス。
上下方向の耐久力を奪う。
相手の重さで自壊させる。
これは多分、多目的魔法になるのかな。
重力、爆薬、圧殺、結界、加速、濃縮。
爆縮魔法インプロ―ジョン。
爆発の圧力を内側へ集めて破壊する。
範囲を限定した攻撃魔法。
「結界なんて防御から攻撃魔法を作ったの?
面白いけど、あいつに通用するのかしら」
首を傾げるアンヌだが。
これもまだまだ、素材レベルでな。
「ふうん……
え、待って待って?」
聞き流した後になって意味が飲み込めたか。
目をキラキラっとさせるアンヌ。
妙な時間差になったが。
まあ、説明しようか。
まず俺の持ち技だが。
魔法の発動式が幾つか。
まずは2つの魔法を同時発動する。
並列発動。
魔法を連鎖発動する連続発動。
を、並列させて連続並列発動。
更に、高速発動で追い掛ける。
速射、を並列発動。
より頑張れば。
時限発動もう1つ設置ぐらい。
普通そんなに維持出来ない、とアンヌ。
魔法を維持し続けるには脳の思考が。
イメージが必要だ。
途切れると、例えば攻撃魔法。
敵に届く前に消えてしまう。
俺も負担がキツいのは感じているが。
生活魔法は比較的、思考の負担が少ない。
効果が限定されているからだろう。
攻撃魔法も同じだ。
効果を限定すれば負担は減る。
例えば炎魔法。
敵を狙って追い続けて、とか要らない。
それは新魔法になってから考えれば良い。
混ぜるだけなら、そこで燃えて。
それで十分、事足りる。
で、負担を減らして数を増やして。
それでも実質6つか7つぐらいが限界だ。
しかし、より多くの要素を取り入れたい。
そうなると、先に複合された魔法を作る。
例えば水と凍結を使いたいなら。
氷結魔法1つで代用が効く。
そういう物だという認識を作る。
精神負荷も魔法1つ分だ。
錬金術みたいだ、とアンヌ。
俺はチャーハンの具かなあ。
米と別に炒めておくイメージだったが。
そうか。錬金術と料理と複合魔法作り。
これらは似ているのか。
要素と現象、イメージ。
これらが結びついて複合魔法になる。
これが魔法でなく科学なら。
複雑な演算が必要になるのだろうが。
魔法の神だか何だかが融通してくれている。
神職、祈りの奇跡も同じなんだろう。
神様、これこれ、こうしてください。
演算は神様の方でお願いします、だ。
ともすれば、神聖教会。
戒律厳しいのは神様の好みか?
手間掛けてやる、その分。
叶える方の選り好みでもあるんだろう。
そうなると俺の場合。
魔法の神に気に入られているのか?
どうだろう。
聞いてみる機会なんて無いしな。
雷、結界、反射、強化、浮遊、加速。
電磁加速魔法エレクトリープ。
風、昏倒、濃縮、障壁、強化、加速。
衝撃波魔法ソニックウェーブ。
水、風、軟化、腐食、崩壊、加速。
瞬間風化魔法ルーイン。
思い付きで作った。
全部材料に使うか分からん。
1つ1つも効くか試してみて良いだろう。
機動兵器は超兵器だが。
精密機器の集合体でもある。
全体的に打ってみる。
弱い所を、装甲の隙間を探そう。
魔力が減って来た所で、子供達と合流。
サンドラ達が魔力薬を作って待っていた。
これを頂戴しつつ、打ち合わせを。
「どう? 勝てそう?」
「必殺技できたー?」
「タタタとか、やらなくていい?」
勝てるか、は、まだ分からんが。
今回は援護射撃は無しだ。
ダメそうだったら、今日は諦める。
遺跡の番人だろう。
刺激しなければ追って来ないと思いたい。
「お待たせですわ〜」
ああ、来た。というか来ちゃった。
ブランディエーヌの声がして。
慌ててジュス姉さんが走って行く。
「ぎゃあ! 待って!
待って待て待て待て待て!」
「あら? あらあらあら?
あららららーああーれー」
見ているとジュス。
ブランを抱えて森の方に行った?
肩に担いで……何あれ。
山賊が女を誘拐するみたいな。
そして戻って来た時。
ブランの頭に角が無くなっている。
隠れて変身魔法を使って来たのだろう。
「改めまして、旅の魔法剣士ディエナですわ。
ジュス、ええと?
ジュスティンさん?にお招き頂いて」
ああ……はい、お願いします。
バレバレ感。
振り返ればアンヌが吹きそうだし。
廃坑入り口から覗くユッタ達がジト目。
揉め事は起こさないでくれよー?
「おデートすっぽかして参りましたの。
だって、こちらの方が楽しそうですもの」
にこにこ楽しそうなブランのディエナさん。
後で俺、またディート何某に睨まれるのか。
ああ、もう、何だってこう間の悪い。
少しして、またジュスが走って行って。
通信。もうエンヌとか隠さなくて良くない?
一応作法なのだと拒否される。
魔人さんは人間ごっこが好きなのだろうか。
後続。ヴァランティエーヌ。
アンヌの双子の妹デルフィエンヌ。
あと、ベルナディエンヌだったっけ?
「ヴァ、ヴァラン……です」
「え、エンヌ……」
「べっ、ベルナだ! 見知り置け!」
……はい、ご姉妹お揃いで。
人手が揃った。
ぼちぼち掛かろうか。
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