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黒鷲の旅団
17日目(10)まねっこ少女隊
「いつもすまんな、子守殿」
応援に来たのは騎士ローレンシア筆頭。
先発隊として騎兵100騎。
後続は歩兵。
騎士ヴォルフラムの隊が来るという。
ローレンシアに村を見て貰う。
歩兵に遠射部隊が居るだろうか。
防壁を使えば幾らか守り易いと思う。
配置と地形、森の位置。
あの辺からオーガが出て……
ここでローレンシアに疑念が湧く。
死体が闇の気配を呼ぶ。
モンスターを強める。
しかし、この一帯。
シュテルンとの激戦地ではない。
主戦場を外れた所でモンスターが強い。
のは、何故か。
何者かがモンスターを呼び込んだか。
非公式で大規模な戦闘があったのか。
どこかの魔王軍が介入……
いや、位置がおかしいか。
シュテルンの輜重隊でも襲われたかな。
調べてみないと分からん。
それに、原因がどうあれ。
ここらの魔物が強い事に変わりは無い。
イェルマイン隊は駐留。
騎士団に協力し村を見ていてくれる。
サナトス隊は周辺偵察に出るのだと。
少数で動き易いだろうが。
戦力も人数相当になる。
無理はしないでくれよ?
他方、俺達は北西に向かいたい。
ローレンシアから聞く所。
山道の辺りから緩衝地帯。
最寄りはシナイア辺りかな。
シュテルンの砦がある。
通り掛った冒険者の体で行く。
話を聞いてみよう。
出発の準備を……ぼふん。
何かの爆発音。
「「「お兄さあああああああん」」」
ユッタとヘルヴィとヘレヴィ。
ハモりながら走って来た。
えー、何だこれ。どうした。
「「「あのねあのね……
ああー、もーっ!」」」
同じ動作でジタバタする3人。
ああ、ヘルヘレが?
ユッタの真似をしているのか。
鬱陶しがるユッタ。
ヘルヘレがクスクス笑い。
可愛いし面白いのは分かったが。
他に何か用事が?
「あっ、あのね。
魔法を作る?をやってたんだけど」
「マルカがね、水蒸気?
上手く出せないって」
魔法を作る。
マリナ達の連携石柱魔法の真似か。
水蒸気魔法の元。えー、ちょっと待て。
スキル欄に解析魔法。
水、重力、水、炎、炎、炎。だったか。
「「「炎と水だけじゃな……あーっ」」」
またハモって指差し合う3人。
大分打ち解けたみたいだな。
ユッタも怒っている様で笑っている。
3人が駆けて行って。
俺も行ってみよう。
向かう途中でドゴンと爆音。
今度は上手く行ったかな。
「ま、ざっとこんなモンよ〜」
「さんざん悩んでたくせにぃ〜」
得意げマルカ。
つんつんするイェンナ。
楽しそうなのは結構だが。
そろそろ出発するよ〜。
少女騎兵隊、整列。
ここで正式に通達します。
フィリッパ・リンドグレーン。
第2銃士隊、改め、第2竜騎兵隊。
副長に任命します。
「えっ、私!?」
「一番伸びてるものねえ」
『大丈夫だよ。フォローするよ』
不安げな反応だが。
ヘレヴィとジルケの励まし。
俺も助けるから。
まずは頑張ってみてくれ。
同じくヘルヴィ・フルスカイネン。
隊の参謀役に任命。
機転の良さは充分だ。
少し冷静さを意識してみてくれ。
提案はジルケかフィリッパに。
俺にくれても良い。
ヘレヴィ・フルスカイネン。
隊の斥候役に任命。
潜入なんかはヘルヴィと組ませるが。
まずは索敵から。
スコープの扱いも頑張ってみて欲しい。
あと、ローダとテクラ。
何かやってみたいかも知れないが。
正規雇用がまだだった。
今日の所は保留で頼む。
長期契約として話を纏めたい。
ご主人のランカーさんと相談しないと。
それと、新規で騎士叙勲なのだが。
騎士勲章の生産が間に合っていない。
ちゃんとしたのをあげたいから。
今回は無しだ。
「えー、なあんだー。
お預けかよー」
俺も残念だが、マルカ?
じゃなくてエメリナ?
口真似か。
うん、ちょっと似てた。
「あっはははは!
似てる似てる!」
「えー、そんな似てるかぁー?」
イェンナ、げらげら。
マルカが口を尖らせる。
真似っこ遊びが流行っているのか。
楽しいのは良いが。
あんまりからかうなよー?
しかし、勲章。
みんな期待している所、ごめんな。
首都に帰る頃には幾らか出来上がる。
まずは道中気を付けて。
無事に行って無事に帰ろう。
次の方針はシュテルン公国軍との接触。
戦闘ではなく接触だ。
慌てて撃たない様に。
とは言え、こちらも大所帯だ。
急に近寄ると向こうも焦る。
焦ったら撃って来るかもしれない。
接近、探知した所で一度止まろう。
進軍を再開。
少し日が傾いて来たな。
暗くなってからの接触は怪しまれる。
急ぎたい……が、馬にも不慣れか。
時間を意識する一方。
焦って怪我をさせたくもなし。
一泊して翌日訪問。
そういう選択も視野に入れよう。
空間魔法展開、地図表示……よし。
まずは次の集落まで行ってみようか。
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