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黒鷲の旅団
23日目(5)ごたごたぼきぼき
「ほいじゃ、気を付けて行っといで。
お昼ご飯は要らないんだね」
見送りに出て来てくれたベラさん達。
昼食は出先で調達するので大丈夫です。
ベラさん達。ベラさんの他。
彼女の仕事仲間が3名。
アニス、ビビアーナ、フラビア。
侍女経験は無いのだが。
経験者ベラさんとの信頼関係がある。
作法は煩く言わない方向で。
まずは仕事を覚えてください。
可能ならリータやラケルも見てやって欲しい。
前金で給料を10万ずつ渡しておく。
それと、ベラさんもブランクがあると思う。
吸血鬼執事クラウディオさん。
フォローをお願い出来ますか。
執事さん、伯爵共々。
上位種エルダーヴァンパイア。
日中でも屋内なら平然としていられる。
献血もしてあるし、理知的な人物だ。
血を求められる事は無いだろう。
それでは出発……
と、クラウスさんは?
見れば、いそいそ。
輜重隊の馬車に乗り込んでいる。
ベラさんに声を掛けなくて良いのか。
同僚達にも小突かれている様に見える。
まあ、どう説明したものやら、だ。
気持ちや言葉を整理するには時間が要るか。
さて、こちらも仕事に掛かろう。
通信魔法で各隊に呼び掛ける。
首都の東門へ集合を促す。
まだ途中だと返事があった。
ハミルトンの店に寄って行く。
と、腰に手を当てて仁王立ちするアンヌ。
向き合っているのは3人。
ロジェ、ティモ、ヒューゴたったかな。
ストリートチルドレン、悪ガキチーム。
ロジェの左頬に赤々とビンタの痕。
アンヌの後ろ。
へたり込んだマイナさん。
と、ジュス姉さんも?
えー……どうした。
「こいつら!
マイナとジュス姉のおっぱい触ったのよ」
「だって、銃は女にやるって」
「気に入らないからって嫌がらせしない!」
順を追って説明を……
揉め事のキッカケは在庫不足の様だ。
弓より銃が欲しいという声が上がり。
しかしハミルトンの店の在庫。
人数分の小銃は無かった。
マイナさん達の采配。
弱い女の子に優先で銃を配りたい。
他方、悪ガキ大将ロジェ。
手柄を立てて大成したい。
自分達に寄越せと取り上げようとして。
マイナさんとジュス姉。
間に止めに入って対立した。
接触は……
大人の腕力に対抗して弱みを探したか。
あるいは事故、単にスケベかも分らんが。
義足のマイナさんは踏ん張りが弱い。
ジュス姉は逆に強過ぎる。
迂闊に手を出せない。
で、上手く抵抗出来ないまま。
触られて……ヘニャヘニャと。
その後、救援要請。
アンヌが駆け付けて制裁ビンタ。
小銃は奪還されるに至った。らしい。
2人は大丈夫か。痛めた所は。
変なトコ触られて力が抜けただけ?
大事無いならまだ良いが。
しかし、ロジェ。
俺は言ったハズだ。
仲間内で揉め事を起こすなと。
自分の方が上手くやれるだとか。
小さい子に火を触らせたくないとか。
言い分は各々あるだろう。
しかし、強行はいけない。
俺の事は、子供に甘いと。
そんな認識で通っているかも知れんが。
正確には女と子供に甘い、でだな。
今回の件は加害者と被害者は同列に見る。
あとは規則に照らすしかない。
規則を破った以上。
罰を与えなきゃならん。
しかし罰則は……
具体的に決めてなかったな。
「女に淫らな悪戯をしたんだもの。
もいじゃうのが妥当だと思うんだけど」
アンヌ、過激発言。
もぐ、って…………えーと。
「あ、あっ、だ、大丈夫です!
思い出しちゃっただけですので」
子供好き、許すと言うマイナさん。
しかし、肩を震わせて、少し涙目で。
性的接触は重いトラウマなんだよ……
慰めようにも、俺が触れるのも憚られて。
アンヌに目配せする。
彼女はマイナさんを抱きしめてくれた。
ジュス姉さんは大丈夫か?
赤い顔でぼーっとしているが。
「……へ? ああ、うん……ヤバイ。
あ、いや、ヤバイじゃなくて。
はぁ〜、はぁ〜……
えへ、えへへへへ……」
怪しげな顔で笑う。大丈夫か。
診断……軽度の催淫。
大丈夫じゃない。
色々と拗らせている人だ。
別の意味で心配だ。
子供相手に変な気を起こさなきゃ良いが。
ひとまず鎮静魔法を念入りに掛ける。
「よしよし。
マイナが許すんじゃ仕方ないわね。
じゃ、次やったらタマを潰すってトコで」
ぼきぼきぼきぼき。
言いながら石ころを握って砕くアンヌ。
その時は素手で潰すのかね、この子は。
ロジェ達が縮み上がる。
まあ、ワザとじゃないと言う。
一度は信じるので去勢は無し。
しかし、約束を破って揉め事を起こした。
マイナさんを泣かせた。
この辺に罰は要る。
手柄を立てたいんだったな。
成り上りたいロジェ達。
罰則と、お前達の希望の間を取ろう。
バートに路地裏チームの指揮を任せる。
ロジェ、ティモ、ヒューゴは俺と来い。
ちょっとスパルタ式に鍛えてやる。
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