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黒鷲の旅団
23日目(11)ピン留めと猟兵

「だからグリフィンの羽が要るんだ」

 屋敷の戻って、エントランス前に集まって。
 羽を集めた理由を説明して、ユッタ納得。
 そういうワケだから、ちょっと手伝って貰うぞ。

 解体時、集めて貰ったグリフィンの羽。
 これを帽子やケープに付けられる様に加工したい。
 黒鷲団関係者の証明として配っていく。

 住所不定、戸籍も曖昧な孤児達。
 居なくなっても困らないだろうと、人買いに攫われる。
 生贄だの実験だの、酷い目的で連れて行かれる。
 せめて気に掛けている大人がいると分かれば、躊躇しないか。
 絶対でもないだろうが、1つの対策として、だ。

 勿論、国も公主達も、何もしていないワケではなかろうが。
 その政策が行き渡るのを待ってはいられない。

 さて、黒鷲団の羽飾り。
 黒く染めるのが分かり易いだろうが、問題は染料だ。
 この文化レベル。何か肌に有害な物があるかも知れん。
 魔法でやるには俺自身、色関連の魔法に手持ちが無い。
 講和会議のついでに、誰かに聞けると良いんだが。

 染める方法は後から考えるとして。
 とりあえず形だけ作っておく。
 グリフィンの羽。帽子やケープに留める為のピン。
 針金で羽の支えを組んで、糸で羽を括り付ける。

 とりあえず見本を2つ。
 羽2枚1セットの物は正式団員用。
 羽1枚の物は訓練生用だ。グンターやロジェ達に配る。

 ピンの作成は鍛冶屋の孫ユッタがリーダー役。
 器用なイェンナ、ティルア、フリーダ達も手伝いに参加。
 錬成魔法の使えるルーシャ達で針金を用意。
 縫い物はマリナやノイエ、フィリッパもやると言う。
 他の子は羽のサイズを選定して、洗って乾かして貰う。

「ピンだけじゃダメー?」
「つけた時に曲がっちゃうよ」
「針金んトコも何か形にしない?」
「あれー、これ向きが逆じゃん」

 賑やかに作業を開始。
 作業が軌道に乗って来た所で、話もしよう。
 今日、午前中はどうだった。感想と、戦果を確認したい。

「大丈夫だよ。心配無いよ」
「うん……だ、だいじょぶ」

 第1銃士隊はユッタ達。安定の殲滅力。
 イェンナはロジェ達と折り合いが付きそうかな。
 レベルはユッタが52、イェンナ49、カリマ46。
 カーチャ45、ノイエ47、ルーシャ48。

「でも、護衛役って緊張しません?」
「みんなを守るパパさんの苦労が分かるよね」

 第1弩兵隊はレーネ達、ちょっと気苦労があったかな。
 レベルはレーネ51、ペトリナ43、ティルア45。
 ツェンタ45、アイリス45、テルーザ47。

「そっかー、パパさんの代わりだもんね」
「パパさんの代わりをするママさんになるよー」
「ママさん?」「母ちゃんかー……」

 第1弓兵隊はマリナ達、何やら空想している?
 レベルはマリナ50、フェドラ52、マルカ48。
 エメリナ47、フレヤ45、ジェマ44。

 ユッタ、レーネ、マリナ、フェドラがレベル50を突破。
 正規兵からもう1つクラスチェンジ可能の様だ。
 選択肢が幾つか。上級騎士、精鋭兵、猟兵……
 どれが良いとかあるか? 決めて決めてと言う。

 猟兵かなあ。イェーガー。
 射撃関連のパラメータ上昇が多い。
 引き続き、距離を取っての戦いを重視したい。

 ステータス表記上は、単純に『兵』が『猟兵』になる感。
 弓兵が弓猟兵に。騎乗時は騎兵から騎馬猟兵に。
 銃士は狙撃猟兵になる様だ。

「50? 足りてるわ?」
「私達は出来ないのかしら」

 第2銃士隊はヘルヴィ、ヘレヴィ。
 そうだな。ちょっと待て……
 レベルはジルケ45、ヘルヴィ58、ヘレヴィ58。
 フィリッパ43、ローダ44、テクラ44。

 神人脳内マニュアル、クラスチェンジ項目。
 ヘルヘレは、レベルこそ十分なのだが。
 どうやら銃の武器熟練度も必要らしい。
 まあ、でも、もうちょっとだ。焦る事は無い。

 第2弩兵隊。フリーダ23、リリヤ20、ダーシャ15。
 トゥリン18、キーア5、ティリー5。

 第2弓兵隊。ルジェナ21、マリッタ22、アルメル16。
 ヒュリヤ17、リューリ6。

 入団時期に差があるので、バラつきは仕方なし。
 サイクロプスは何体か倒している様だ。
 空中の敵はまだ少し苦手か。焦らず慣らしていこう。

 本部チームは、上がったり下がったりな俺が54。
 サンドラが51、トゥーリカ41、マイナ33。
 アンヌ783、ジュス1027。

 ハイウィッチへのチェンジは上級魔女の称号、免許が要る。
 サンドラちゃんのクラスチェンジも持ち越しとなります。

 クラスチェンジ……を調べていて。
 気になる項目も見つけたが、精査する時間が無い。
 イーディス公主から通信。そろそろ来られないかと。

 よし、じゃあ、そのまま作業を任せるぞ。
 俺は一旦、講和会議の方に顔を出して来る。
 花人隊や魔物チームは後で詳しく見せて貰う。
 必ず見るから。そんな取り囲んで来ないで。

 俺と入れ替わりでフレスさん達が来る。
 魔女授業をお願いしてある。
 まだ時間が余るなら、ベラさんから淑女教育。
 それでも暇になったらマイナさんとお菓子作りかな。
 それぐらいには帰って来られると思うのだが。

 アンヌとジュス姉さんも呼ばれている様だ。
 それじゃあ、まずは3人で行って来よう。



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