黒鷲の旅団
26日目(7)知恵も力も蓄えて

「見て見て、取ったよー!」
「取ったー! イェーイ!」

 エメリナ、ティルア。
 分かった分かった。
 よしよし、偉い偉い偉い。
 撫でこ撫でこ撫で撫で撫で。

 トゥルチャの農村で子供達と合流。
 授業の成果を確認した。

 先に正魔女になっていた子達、

 もう新規免許を取得していた。
 レイヴン婆さんの指導。
 薬草学の初級免許を貰ったらしい。

 正魔女2級はユッタ、イェンナ。
 マリナ、フェドラ、レーネ。
 ペトリナ、カリマ、ティルア。
 薬草学を取得……
 免許はまだ治療師と薬草学だけかな。
 免許取得には至らないが。
 他にも何か勉強している様だ。

 正魔女1級、子供はマルカから。
 カーチャ、ノイエ、ツェンタ。
 アイリス、テルーザ、エメリナ。
 フレヤ、ジェマ、ルーシャ。
 2級の子と同じく治療師と。
 新規で薬草学を取得。

 残るサンドラちゃん。
 第2弓弩銃士隊も、午後から授業。
 トゥーリカや花人達。
 マイナさんもだな。

 アンヌ達がまた授業受けるかどうか。
 受けると言っていた?
 ニノンの付き添いか。
 あのお姉ちゃん達も世話焼きだ。

「ほれほれ、まだ終わってないよ。
 免許っても取っ掛かりさね。
 まだまだ覚える事がある」

 講師のレイヴン婆さん。
 子供達を呼び戻す。
 邪魔してしまったかな?
 嬉しそうに手を振る子供達。
 午後は一緒に巡回に行こう。
 また後でな。

「ん、行くかい」

 ジュス姉さん、行きましょう。

 ジルケ達、第2チーム。
 既に出発している。
 残りはロジェ達、外縁チーム。
 それと、新しく集まった子供達。

 今日は少し編成も入れ替えようか。

 キース隊。キース、レイモンド。
 路地裏チームからジュリオ。
 元貴族のルパートとエセル。
 後ろの守役にロジェを付ける。
 6人小隊にする。

 ただ、エセルはまだ不調か。
 村で手伝いをして貰った方が良いかな。

 バート隊、ニノンが抜けて5人。
 ここにシプラを入れて6人。

 ヴラスタを新規隊長役に。
 ティモ、ヒューゴ、ヨティス。
 ヴィダル、テレンシオで6人。
 知ってる顔同士。
 連携は難しくはないだろう。

 それと新人が8名。
 丁度、男女4人ずつか。
 一先ず同性で纏めて動いて貰おう。

 男子はレヴァン、パトリス。
 ショルス、ジャンカルロ。
 レヴァンの耳がモフモフしている。
 亜人種。これは鳥系だろうかな。
 あとはパトリスが年少者。
 これも留意点。

 女子はルアーナ、ニコレッタ。
 アドナ、リーゼル。

 多分ルアーナとニコレッタ。
 水棲系の亜人種だろう。
 耳の辺りが魚のヒレっぽい。

 亜人種の移籍や何かは後で考える。
 フレデリックとマトゥーシュ。
 フランカとイヴォナ。
 それぞれ4人ずつ預ける。
 隊長・副長役をやってみて貰う。

 北区孤児チームのグンター隊。
 同じく南区のジョゼフィン隊。
 人馬族のハヴェル隊。
 この3隊はそのままで良いです。

 グンター、ジョゼフィン。
 ヴラスタ、ハヴェル隊。
 4小隊纏めてジュスティン中隊にする。

「えー、おっちゃん見てくれないのか」
「頼りにされてるって事だよ」
「ボクだって結構頼れるつもりだよー?」

 グンターの不満。
 諭すヴラスタ、ジュス姉さん。
 何かあったら俺も駆けつけるから。
 通信魔法は覚えてるな?
 まずは頑張ってみて。

 キース、バート、フランカと。
 フレデリックの各小隊。
 こちらは俺の直轄中隊とする。
 小さい子が居るので安全重視で行こう。

 さて、予定だが。
 先に出ている第2銃士・弓兵・弩兵隊。
 彼女らと連携を取る。
 街道周りのモンスターを掃除する。
 レベルが1つ2つ上がれば上々だな。
 若干でも魔力が伸びたなら。
 それを魔法習得の足掛かりとする。

 それと、生態調査……
 これは俺がやれば良い事だが。
 麦角菌の拡大状況。
 野生動物への影響を見たい。

 各隊、出発準備。
 それと並行して、通信。

 領主代行キュリア宛。
 麦角菌の危険と被害状況について。
 把握しているか問う。
 と、調査依頼が返って来た。
 依頼受諾。
 報酬額の相談は報告の時にでも。

 子供達と隊列を組む。
 村の囲いを出る。
 探知魔法……何か、露骨だな。
 敵反応が街道上に集まっている。
 待ち伏せの傾向があるにしてもだ。
 誰かに誘導されていないか。

 先に出ているジルケ達は……無事か。
 街道上の敵を攻め切れない様子。
 左右の草原に展開している。
 無理せず連携して切り崩しに掛かろう。



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