黒鷲の旅団
28日目（19）趣味の足し、生活の糧

『次来て良いよー』

　はいよー。送るよー。

　自宅に戻って、ウインドウ操作。
　システム補助からベッドを手配。
　コドレアのジュス姉さんに転送する。

　駐屯地に送るベッドは40個。
　運んで全然平気そうなのは魔人の強みだ。

　クリムの人も手伝ってくれている様で。
　姉さんへのポイント稼ぎだろうなあ。

　ベッドを送りがてら、神父達と情報交換。
　中継役はジュス姉さんが担ってくれた。
　用件は、非戦闘職の職業訓練について。

　講師として出向いてくれそうなのが２名。
　下働きを増やそうかという商家。
　あと、旅のパティシエ……パティシエ？
　中世社会にパティシエなんて居たか？
　神人かなあ。友好的なら何でも良いが。

　細かく指導する余裕は無く。
　見学の受け入れは可というのが数件。

　興味を持たせるのは良いかも知れない。
　そこから弟子入り出来るかは……
　まあ、見てみないと。

　職人と、料理屋、画家。
　……画家、かあ。

　講師をしてくれたら金を出す。
　そんな話は出してあって。
　画家で食って行けるかは、どうかな。
　才能と需要次第な所もあるが……
　講師代目当てだとして。
　まあ、歓迎はしよう。
　副業や趣味の参考にはなるかも知れない。

　そう、趣味だって構わない。
　戦闘以外にも興味を持って欲しい。
　子供達の目が向く様にしたいものだ。

「はいっ！　ほいっ！　ほいさっ！」
「おおー」「可愛いぞー」

　食事を済ませて休憩タイム。
　注目の忠臣はエメリナか。
　横に回りながら衣装を変えて見せる。
　衣装替え、換装の魔法を覚えたらしい。

　冒険服、メイド服、と。
　いつ買ったかオシャレ着が数着。
　周りの子が拍手を送っている。

　換装魔法は、元は転移魔法の応用。
　着替えメンドイずぼら魔女の作。
　半人魚、魚体化パンツ問題が解決した？
　解決したのはおじさんとても安心だが。
　すぐ着られるから雑にならないかは心配。

　それはそうと、オシャレ着か。
　エメリナちゃん、服飾とか興味は。
　あんまり無いかー。
　着る方専門だという。

　友達のテルーザの方が興味あった。
　エメちゃんに着せる服を作りたい。
　仕立て屋にも話を聞く機会を作りたいな。

　今日の魔女授業。
　正魔女は生活魔法免許。
　免許が無くても使える魔法だが。
　知識があり相談に乗れます、の免許。

　知識は、知っている……というか。
　調べる為の知識。検索技術。
　全部網羅しておく程でもないのかな。
　あと、魔法法規に触れたとか。

　殺傷能力がある魔法は生活魔法としない。
　威力を上げて人を殺せるのなら。
　それは攻撃魔法になり得る等々。

　さて、今日の魔女授業の成果。
　正魔女各位に生活魔法免許を追加。

　サンドラちゃんが治療師と。
　魔物使い、薬草知識。
　古代文字・軍学・人形使い。
　これに生活魔法、の７つ。

　ユッタやレーネ達、第２陣が免許４つに。
　治療師・薬草学・人形使い・生活魔法。

　マルカやアンゼさん、第３陣が３つ。
　治療師・薬草学・生活魔法。

　ジルケやルピリエッテ達が第４陣。２つ。
　治療師・生活魔法のセットだ。

　授業外でも試験で免許を取れると言う。
　人形使いは早めに習得させたいかな。

　あと、正魔女試験。
　マイナさんやフィリッパ。
　ヘルヴィ、ヘレヴィ。
　ローダ、テクラ。
　ネーラさん達、魔物隊も合格。

　元シスターのマイナさん、とうとう正魔女。
　でも神職の祈りの奇跡もまだ使えるとか。
　それは良いんだろうか。便利だから良いか。

　５級授業がフリーダ、リリヤ。
　ダーシャ、ルジェナ。
　マリッタ、アルメルの６人。

　４級授業、ヒュリヤとトゥリン。
　３級。キーア、ティリー、リューリ。
　あとアンヌ、ニノンも３級。

　アンヌは補修とかにならなかったか。
　話し掛けたのは俺が悪かったけど。
　元々そんなに厳しい物でない？

　２級がラミア族の新人のアランドラさん。
　初級はガーベさん達、花人第３小隊と……
　目が合って早々、通信魔法が飛んで来る。
　はいはい偉い偉い褒める褒める。

　新人は初級授業。
　ドルセア、フリスティナ。
　あとハンナ隊。ハンナ。
　従者のアリョーナ、レギーヤ。

　外縁チーム女子も授業は受けたな。
　メリカやジョゼフィン、ヴラスタ達が３級。

　初級はルアーナ、ニコレッタ。
　アドナ、リーゼル。
　プラス、人馬族の小さい子？スヴェトラナ。
　混ざりたそうだったので呼んだらしい。

　手揉みしたシャンタルが寄って来て。
　ああ、授業料だ、授業料。
　俺が呼びつけた手前だ。
　ハンナ隊のも払わないと。

　外縁チームも今日は俺が出そうか。
　お金の使い方練習もあった。
　自分で出させた時もあったが。
　スヴェトラナはお金用意して無い。

　授業料……計407万。
　出そうか？と見上げて来るイェンナ。
　これぐらいは出させておくれ。

　さて、シャンタルたんに金を渡して。
　俺はひとまずサムエルを送って来よう。
　あと、ロザーリエの叔父夫婦と話をしたい。

「「「えー」」」

　口を揃えてユッタ、マルカ、マリッタ。
　分かった分かった。稽古はまた後でな。