黒鷲の旅団
31日目(3)少女従者隊、ゴハン中
「じゃあ……こっち!」
「やったー」「偉いね〜」
食事時、食堂にてカリマ。
フェドラでなくヴィルヴァの方へ。
フェドラの隣をニアに譲った様だ。
反対側にはリリヤ。
膝の上はニノンの定位置。
以前はカリマが占領していたけれども。
ヴィルヴァも面倒見が良い物で。
フェドラの負担軽減に名乗り出てくれる。
ただ、人気はまだフェドラに及ばず。
カリマも構ってあげている感?
露骨に喜んでる、やったーヴィルヴァ。
ヴィルヴァと同隊。
ルア―ナとニコレッタ。
2人は仲良く出来ている?
「だいじょぶー」「適温〜」
温……温度?
雪竜人で体温低めなのも影響があるのか。
ルアーナとニコレッタ。第3弓兵隊員。
外縁チームから移籍。元はフランカ隊。
明るく愛想の良いルアーナ。
少しジト目っぽいのがニコレッタ。
水棲系種族の血を引くという話だが。
ルアーナの種族がまだ分からない。
能力的にまだ覚醒していないからか。
俺の知識不足、知らない種族だからか。
鑑定解析を掛けても『?』表記が並ぶ。
ニコレッタはハーフメロウの様だ。
これは鑑定ではなく本人の証言から。
メロウ。北方アイルランド周辺の人魚。
多少の寒冷適性がありそう。
水棲系コミュニティなのだろうか。
ハーフマーメイドのエメリナ。
ハーフニンフのテルーザ。
ルアーナ達と同じテーブルに集まった。
テルーザの後ろのテーブル。
同隊のティルア、ツェンタ、アイリス。
友達が気になって聞き耳を立てている。
仲間の繋がりがまた繋がっている。
仲間と言えば種族の繋がりも強い。
共通認識、安心感などあるのだろう。
獣人はフレヤとジェマが中心。
元避難民のキーア、ティリー、リューリ。
トゥリンも獣人の血が濃い。
トゥリンと同郷のヒュリヤ。
ハーフマイコニドは植物系で良いのか?
花人達やツェンタとも親しげ。
と、大体みんな誰かとは仲良しだが。
やや孤立がちなのはフリスティナ。
復讐希望、少し剣呑。
同隊メンバーも少し距離がある。
宥めようとしたマイナさんは失敗。
復讐なんてと言われても、か。
今はルーシャが寄り添って話している。
技術指導は素直に聞く様だ。
望んで孤立したいでもなく……
そうなると、あの避けられ様は不憫かな。
今日戻って来る、一度抜けたドルセア。
上手く隊に収まってくれると良いが。
復讐の相手は誰なのか。
俺も聞いたが頑なに言わない。
あるいは俺か、この中の誰か。
しかし本人から、それは否定して。
探知魔法でも敵意を感じた者は居ない。
あとは、俺が対立すると不都合な誰か。
やっぱり貴族階級だろうかな。
「あちあち」
「ほうほうっ」
器を運んで来るユッタとサンドラ。
それぞれ俺の隣に収まった。
君達2人は大体そこだね。
目を合わせないまま、ひひっと笑う。
俺の隣は大体ユッタとサンドラ。
その向こうはイェンナやマリナで。
正面に入って来るアンヌ。
目が合う所にフェドラやレーネ。
力関係でもあるんだろう。
今日のメニューは……
肉野菜炒め、野菜たっぷりスープ。
あと、揚げ物。これはコロッケか。
小麦が、パンが不足している現状。
無いなりに代替手段を探している。
何かは食べさせないと。
子供達は育ち盛りの食べ盛りだ。
神職の奇跡が使えるマイナさん。
食料の奇跡でパンを賜って。
これを分解・粉砕魔法でパン粉に。
芋やカボチャで量増ししてコロッケに。
カロリーは十分だろう。
みんな席について。
マイナさんと簡単にお祈り。
食べ始め……黙々と食べる。
もくもくもぐもぐ。
もぎゅもぎゅもぎゅもぎゅ。
早くお出かけしたいのか。
落ち着いて食べなさい。
えー、念話魔法。
食べながら聞いてて。
本日の方針。まずは増員だ。
騎士の娘エルゼ、復帰希望のドルセア。
あと何人かスカウトに行く。
増員したいのはフリスティナ隊。
ベルタ隊、ヴィルヴァ隊も。
フランカ隊、ヴラスタ隊も補充。
希望者が多ければチーム新設。
コドレアの駐屯地は様子見だ。
まだ勇者の仲間が居るかも知れん。
今日はトゥルチャ方面を中心に。
また海を見に行っても良いか。
そう念話で話していて。
何か外でドタバタした音。
来客かなと目をやると。
中庭に、何だ。ガラクタの山。
ガラクタをせっせと運んで来る魔女達。
ちょ、おい、どうした。
ちょっと様子を見て来る。
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